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厳かなパイプオルガンの音色と聖歌隊の優雅な歌声を聞きながら、新郎が祭壇の前で新婦を待っている。
目の前には真紅のヴァージンロード。
差し込む日差しは、ステンドグラスに反射して幻想的な世界を造りだしている。
まるで映画のワンシーンみたい。
わたしはそんなことを考えながら、ただ呆然とその様子を眺めていた。
やがて扉が開き、純白のウェディングドレスに身を包んだ花嫁が入場してきた。
色白でほっそりとした綺麗な人。
そっか。健太郎は彼女を選んだんだ。
美人でわたしよりも随分若いみたい。
やっぱりねって。誰にも気付かれないように小さく溜め息を吐く。
わたしは健太郎より四歳も年上だったから。
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