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ジューンブライドはわたしの憧れだった。
梅雨入り間もない当日は、願っても無い晴天だった。
雲ひとつ無い青空を見上げると、その眩しさに手をかざす。
なんだか、すべてが夢のようだ。
健太郎の幸せを見届けたあの日から、わたしの幸せへのレールは敷かれていたのかもしれない。
きっと、幸せは連鎖する。
「祥子、凄く綺麗だよ」
「もう、そればっかり」
隣でわたしを見詰める新井くんに微笑みかける。
わたし達の左手の薬指には、結婚指輪が光っている。
わたしの両手にはカサブランカと淡いピンクのバラのブーケ。
これから、次の幸せに繋げるブーケトスだ。
「準備はいい?」
「うん」
「じゃ、いくよ。3・2・1」
新井くんの合図で、わたしは手に持っていたブーケを空高く投げ入れた。
歓声の中、白いブーケが弧を描いて舞い落ちる。
しっかり捕まえて。
次は、あなたが幸せになる番だから。
【END】
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