第3章

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    休み明けの月曜日 いつもの時間に出社すると、パソコンの電源を入れて項垂れた。 ああぁ、睡眠不足。 新井くんと顔を合わせると思うと緊張して眠れないなんて……。 目の下のクマは、コンシーラーで隠せたと思うけど化粧のノリは最悪だ。 こんな顔、誰にも見せたくない。特に新井くんには。 はぁ。 気がつくと溜め息を吐いていた。 少しでもテンションを上げようと、コンビニで買った野菜ジュースにストローをさして思い切り吸い込んだ。 「う……」 朝食代わりの野菜ジュースが胃に沁みる。 あの日のことは、寝て忘れるつもりだった。 それなのに、キスマークを見るたびにいろいろ思い出してしまって。 結局は忘れるどころか、新井くんのことばかり考える始末。
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