第1章

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「ちょっとやめてよ、それ言うの! 私だって直そうと頑張ってるんだからっ」  自分の顔が熱くなるのを感じる。 「あー、直そうとしても無理無理。絶対直んない。っていうか、それに気づいてないの結愛の彼氏くらいじゃない? 可愛いというか、可哀想というか……」  友達がやれやれと首を振る。  「絶対彼には言わないでよ? 今日だってデート断ったんだもん。平気って顔で」 「暴露しちゃえばいいのに。彼氏見てて可哀想に思うことあるもん」 「嫌よ恥ずかしい。絶対に秘密。絶対にバレないようにするの!」  そう言いながら、彼の顔を思い浮かべる。  私を見つめる笑顔の彼。  私のわがままに困り顔の彼。  私の甘えに照れ顔の彼。  全ての表情が、大好きで、愛おしい。 「彼氏の誕生日もうすぐなんでしょ? そのときぐらい、好きって言ってあげなよ?」 「……気が向けばね」  彼のことで、いつも頭がいっぱい。  彼だけに内緒の、私の欠点。  
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