第1章

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 本当は、 「俺のことほんとに好き? いつも友達ばっか優先するじゃん」  なんて言いたいが、そんなことを言ったら確実に鬱陶しがられ、もしかすると気持ち悪がられるかもしれないから言えない。  そんなことになるくらいなら、我慢しよう。  そう思って、いつも、 「分かった。じゃあまた違う日に」  と、返す。  すると結愛は、必ず、 「うん! 次のデート楽しみ」  と、満面の笑みを見せる。  このギャップにいつも俺の心は鷲掴みにされ、ますます結愛に夢中になる。  なぜ、誰にでも優しく愛情を持って接することのできる結愛が、一番そう接することができるであろう俺には冷たいのかは分からない。  でも、なんだかんだでそんな彼女の欠点さえも愛おしいんだ。
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