最終章

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メインウェポンであるパンツァーを前に突き出し、バレルのベヨネットを使用する、交戦にあたり、主機近くに反応をしてる複数のオレンジに向けて、タイマー式にセットした左手のバンカーに装填されてる煙幕弾を発射。 鈍い音と同時に、シュルシュルと砲弾がオレンジ達の間を抜けて、花火の様に爆破し大量の煙が立ち込めると、すかさず突貫。 煙の中でベヨネットを振り回し、手当たり次第オレンジを無に帰していく。 「次!」 再び先程の攻撃を反復するが、煙幕が切れる前に行わなければ、格好の的になり敵の迎撃射撃の雨にさらされる苦い思い出を忘れてはならない。 煙幕弾を発射、煙が焚く、中に入って敵を討つ、単純ではあれど敵の数を減らすにはこれしかない。 『ガーベラ、ボクが支援する、射線を開けて』 反応し足元を見ると、空母甲板上にスナイパーライフルを構え、腰のスタビライザーで足場を組み、こちらに向けて砲身が向いているファントムを黙認 「煙幕弾を撃ちます、南極点目掛け射撃して下さい!そこなら弾は上に貫通します」 『ふっふっふ、弾はヒドラだから内部爆発する逸品さねカウント!』 「ヒドラ…弾芯の中に仕込まれたベアリング弾を発破させるアレをか…ふふふははは!おもしろい!左、煙幕!」 左側の群れに向かって煙幕を焚くと、甲板からファントムの射撃光がピカピカと連続して点滅、その直後、煙幕が赤く染まっていく そのおかげでもまだまだ残敵は多数存在する、晴明の頑張りでも、ここ凌ぐには限界がある 《助太刀するぞ!ガーアアアベラアアア!!》 その声を機にレーダーから味方機の反応が四方八方から現れる。 どうやらこの海域に展開していた本隊と合流でもしたのか。 チェルミナートルを横切る様に見慣れたファントムが一機、T-4の群れがオレンジを食っていく 「天草から支援感謝します、ロイ隊長」 『逆だ、このオレンジファミリーとパーティしてくれて、再出撃までの時間稼ぎになった、サンキューガーベラ』 『全く、晴明の頑張りには胸熱だ』 「草間さんに皆さん、久しぶりです。オレンジ討伐、巻きでいきまーす‼︎」 応!の一声で、時間にして30分近く掛かったが、対空電探に反応は消えたと空母より知らされた。 甲板に着陸し、補給を受けるがてら、ロイと草間達と久しぶりに再会する。 「帝都所属とは出世したな晴明、しっかし、カラスもぶっ飛んだ命令を出したもんだ。エーテルアクティブによる弾道飛行」 「えぇ。おかげ様で普通45〜50分って所を15分で有明入りですからね、機体がバラバラになるんじゃないかと肝を冷やしましたよ」 「あっはははは!クレイジーだぜ、全く」 各空母に戦闘機と、揚陸艇を多数目にする、避難民だろう。 「あの揚陸艇に乗っているアレは」 「あぁ、熊本疎開の連中さ、大半は避難できてたが、老人や病人、頭の固い連中が大半が揚陸艇に乗せられてるさ」 「熊本疎開、じゃ鹿児島や宮崎も?」 「あぁ、上空にいきなり現れやがったからな、奴らが。それで交戦しながら民間人を揚陸艇に乗せるだけ乗せて、四国とその近辺までに来ていた完成途中の都市艦に避難させてな、で、太宰府辺りの避難が遅れていたから避難を完了すべく、急拵えであるが残って戦ってんのが、九州大連合殿部隊が俺たちさ」 「九州大連合…か、それで我々三機だけ送り込まれたのもそれが一様であり、作戦だったと、でもエーテルアクティブが出来ないんじゃ?」 「あぁ、それの所為で大半の仲間がやられた、みんな避難だからな、歌を歌ってくれる連中を守らないと、それで」 「犠牲になったと、……だから、八雲さんがこちらに、なるほど。そういうシナリオか」 「うん?シナリオ?なんのことだ?晴明」 「熊本…いや、この九州が落ちること自体把握されたんじゃないかと、だからこれだけの規模の兵力を投入出来たんじゃないか。私を帝都に寄越したのも、そこで私の愛機をバージョンアップさせたのも、全部仕込まれていたんじゃないかと」 「晴明……考え過ぎだが『隊長!大変です、護提督の乗る戦艦が、ホットポイントに向けて舵を』」 話を割って入ってきた、血相変えて伝える草間さんがいた 『次に輸送ヘリが一機、熊本市内に不時着、敵の包囲に晒されています。至急向かわないと!?」 「搭乗名簿には、何人、そして誰が乗っている」 『最後の通信では、護提督の子供二人を救出、傷を負っているようで油断がないと、治療に当たっている、葛乃葉 香也医師によりっと通信はそこで』 「………かや?だと……、不味い!晴明!!!」
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