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いつの間に、そんな事をしていたのだ。
「では、マッサージにしましょうか」
政宗は起き上がると、サボテンの潤滑材を宝来の背にかけた。手を滑らせて、背を揉み解す。
「これは、いいね」
案外、歓楽街にもこのマッサージはいいかもしれない。サボテンマッサージ。
背を肩を滑りながら、政宗がマッサージしていた。全身を使い、全身を揉み解す。
「チェンジするか」
しかし、宝来のマッサージは局部的であった。
「食べても無害だからな…」
食べても?どこから、食べさせているのだ。政宗の中に、直接、冷たいものが入ってきていた。しかも、ぬるぬるしていて、気持ち悪い。
「宝来」
抗議してみたが、宝来は気にもしていなかった。
「サボテンも夜光るのだな、すごく、きれいだ。朝露みたいに、政宗の全身が光っている」
誰のせいだと言いたいが、同じように宝来も光っていた。色気とともに、つい政宗も宝来に見惚れる。こんな男が世の中に居るのだ。漆黒の瞳、黒い髪、整った顔、均整の採れた体躯、最上級の男。
「あん…ん…」
濡らされているせいなのか、いつもよりもきつくなかった。
宝来の膝の上で、繋がったまま、可笑しくなってしまっていた。いつも、普通でいいと言いつつも、こうやってあれこれされることも楽しい。
「宝来、今度はオウランドのユカラの天辺でするか?」
「酸素あるかな…」
既に宝来の頭の中では、方法を編み出しているのだろう。
「さてと、しますか」
政宗が動き、宝来も動く。飛び散る汗が、光っていた。美化ではなく、サボテンの潤滑剤が飛び散るのだ。
「ぁ…んん、あっぁ…」
誰も居ないので、激しい嬌声が上がる。その声が風に流されてゆく。
「ん?」
風?
「ん、んん?」
風が強くなってきた。これは、砂塵注意報がかかる。
「続きは車の中だな」
車に移動すると、同時に砂塵注意報が出ていた。
「最後に、砂塵が見られて良かったよ」
なつかしい砂の中、また宝来と抱き合う。砂塵が去ったら、車を掘り起こさなくてはならない。天井に出入り口があるが、車は砂に埋まり易い。
窓の外が、砂だけになってくる。しかし、車を揺らすのは、別のコトであった。
「あ、あ」
シートに寝かされた政宗の上には、宝来が居る。激しい揺れが、再び止まった。
「砂塵が終わったな…」
体力を残しておかないと、これからが辛い。
「掘り起しますか」
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