第三章 砂漠の薔薇3

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「この冷気はそのためか。 下部で仮死保存の幾体かが存在しているのか」  雌体と雄体を、今、ユカラが仮死保存していた。 「ユカラは機密を守れる人間に、仮死保存を頼んだ。 しかし、彼らは人体の仮死と勘違いしていたかと思われる。 ユカラが欲しいものは、 生きて保存されている種子である。 下で確認して欲しい」  政宗の左目は、冷気をまとって眠っている、 幾人かがきっちり見えていた。 冷凍では種子も死んでしまう可能性があった。 仮死レベルの冷蔵の温度を保っていると思われる。 「ふざけるな。 ユカラであっても、人を殺していいわけがない!」  でも、人間は冷蔵では生きてはいない。 保護ではなかったのか。
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