第三章 砂漠の薔薇3

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 政宗が、宝来に試食させる。 堅いパンで、非常食のようだった。 「スープに付けて食べる」  味見が完了すると、政宗は庭に出た。 「宝来、手合せしてくれ」 「おうよ」  パンを齧ったままの宝来が、上着を脱いでやってきた。 「彼らは、教官だった。 でもな、ある時、作戦に参加して、 教え子の殆どを戦闘で失ったという」  以来、彼らは傭兵となり、仕事屋になった。 殉職という美しい響きとは異なり、 教え子は作戦で見殺し、そして捨石にされたのだ。  技のキレと、プロ意識。 個々の能力の高さに加え、 チームで動くと、その能力が数倍に感じる。
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