第三章 砂漠の薔薇3

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「いいチームだよな」  政宗は、宝来と噛みあわない。 それは、 能力の差でもあるが、それだけではない。 「体術から頼む」  政宗が駆け上がり、上から宝来に舞い降りる。 宝来は、それを片手で受け止めて、 投げ飛ばす。 壁に足を付いた政宗は、そのまま木の枝に飛び乗った。 「宝来…手を抜くな」 「ここで、政宗に怪我をさせたら、 本末転倒だよな」  彼らは、チームだというのに、自由に動いていた。 それで、作戦になるというのは、不思議であった。 「宝来、天然体の位置は把握できるのだろう。 それが敗因の気がする」  宝来は、政宗に当たらないように、 戦闘中も無意識に避けていた。 そこを相手に突かれてしまったのだ。 そして宝来は、 政宗を庇い、タイミングが僅かに遅れる。 政宗が居ることで、単独よりも弱くなるのだ。
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