第三章 砂漠の薔薇3

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「これは、保存方法なのか?生体には詳しくはない」  生体、保存。 種子の保存ならば、政宗もやや詳しい。 政宗は、亡くなった植物博士、江戸崎の知識を引き継いでいる。 「ミラレスの知識を必要としている」  次に映像が流れていた。 保護した青年の、目が緑に変わった。 腹部が膨れあがり、 青年が痛いのか、のたうちまわっていた。 やがて、腹部も緑色に変化が始まる。 葉が出てきたら、発芽しているということだろう。 しかし、 雌体の種子が、発芽しようとする前に、 ユカラは人間ごと、冷蔵し仮死保存した。 「何て、ことを…」  仮死、種子は保存できても、 人間は仮死から復帰できない。
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