第三章 砂漠の薔薇3

26/30
97人が本棚に入れています
本棚に追加
/442ページ
「ユカラ、 これは植物学者だけではなく、医師も必要であったな。 この種子、人間で育った種子だけど、恐らくブタに移植できる」  内臓を破損しないように、種子は育っていた。 根のようなものを各種の臓器から外し、 移植は可能であろう。 人間とブタは、近い。 これは、サルの類での対応では無理であろう。 脂肪と運動能力、体温などで、 ブタが適している。 「参考にする」  政宗は、雄体の保存状態も観察していた。 「この種子、 百年保つのだろう……この状態では百年は保存できない。 種子は、種子のみの方がいい。 種子の仮眠には乾燥と適度な密封が好ましい。 発芽の際に、供物としてブタを与えればいい」  今から外しても、死亡は変わらない。 もっと早く、ユカラの行動に気が付けばよかった。
/442ページ

最初のコメントを投稿しよう!