第三章 砂漠の薔薇3

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「政宗。 ユカラはブタを持っていない。 購入して飼育を求む」  肉は輸入に頼っていた。  結局、ユカラは人間の脳を持っていても、 心は失ってしまっていた。 人間を守っていても、 それは、システムであって母性愛ではない。 こうして、人が死んだとしても、 ユカラは何も感じていない。 そして、政宗の怒りも察知することはない。 「何匹必要なのだ?常備用意しておくか?」  砂漠で、既に牛を飼っているので、 ブタも一緒に飼うとしても、さほど問題はない。 「常備飼って欲しい。 期限を決めて、新しいブタを入れ、 古いブタは肉として、ユカラは買い取る。 最低五匹は欲しい」 「そうか…」  政宗は、種子の保存方法を、 江戸崎の情報から選択すると、そのままユカラに流した。
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