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ゆで小豆があったことにも驚いたが、
しきりに宝来が喝采を浴びていた。
粥が、疲れた胃に優しい。
ここのメンバーは、これから朝市に行く者たちであった。
売る者、買う者が、一服している。
ここは、穴場なのだそうだ。
「美味いな…」
しかも、かなり美味しい。
宝来の粥を一口盗んでみると、
不思議な味がしていた。
薄い味のお汁粉のような、赤飯の粥のような。
やや甘さがあった。
「微妙な味だ」
ふと、宝来が笑う。
「疲れた、胃に効く感じだ。
政宗も今度、朝食に粥を出してみたらどうだ?」
「それもいいね。でも小豆はなしだな…」
たわいもない会話が、今は心地よい。
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