序章

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魔王城は五階構想からなる城…五階を魔王の間とし各階には階層守護者である四魔将が存在する…。 漆黒の鎧を纏いし魔族が発する魔力の質を見ても、四魔将であることは間違いないのだが… 「魔王の奴って普段そんなことしてんだ?」 「ハイ、昨日も寝不足なみたいです 以上。」 ショウとお茶をたしなんでいた… 「あいつは誰とでも仲良くなるな…」 「正確には“女性”とならです…」 「えっ?あの鎧、女なの?」 「…身のこなしは女性の仕草で御座るな」 …少し離れてそんな会話をする四人に気が付いたのか、ショウはお茶を飲み干し立ち上がる… 「モウ、行かれるのデスカ? 以上。」 「ああ、ご馳走さん、誰と殺し合いたい?」 「ソレガシ、相対誰でも構いまセン 以上。」 「それなら、拙者がお相手するで御座る」 …ショウと魔族の会話にツキカゲが入ってくる、ショウはツキカゲと拳を軽くぶつけ合うと二階に向かって走り出す… 「死ぬなよツキカゲ」 「心得たで御座る」 …ショウ達が二階に上がっていくのを見届け魔族の方を見ると、お茶の道具を片付けていた… 「…もしかして、拙者も二階に向かって良かったとか?」 「イエ、率直に申しまスニ、魔王サマは一対一を望んでおられマス。 ソレガシら四魔将はアナタ方を一人ずつ足止めするようにと命じられておりマス、故にアナタが二階に向かって行くと言うのナラ… …無慈悲に切り刻みマス、以上。」 …明らかに異常な殺気…止めようと思えば五人を足止めすることも可能であった…過去例にない命の斬り合いに【暴食の雑食鬼】【刀神】としてのツキカゲにスイッチが入る… 「拙者、和国鬼倭次期領主 ツキカゲ・ヤギュウ 戦闘スタイル夜叉 死ぬまでの御付き合い願うで御座る」 ツキカゲが名乗ると、鎧の魔族は立ち上がりかの豪傑が使用されたとされる槍を持ち、口を開く… 「ソレガシ、魔王サマ近衛部隊 四魔将【魔弓槍将】イナヒメ…戦闘スタイル毘沙門天 以上。」 …彼女は笑う、この世の強者全てと命の斬り合いをするために…満たされぬ空腹を満たすために刃を振るう…
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