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ツキカゲを一階に置いていき、二階に上がると商業地区の様な町並みが広がっていた…
「…なんで、魔王城に一つの町並みがあんの?」
「…人の真似をする亡者どもめ…」
「物理的に城内にこの規模の町並みがあるのはあり得ない…」
「………………」
…色々な法則を無視している魔王城の話をしながら歩いているのだが、黙っているローにショウは顔を合わせることなく声をかける…
「…任せていいのかロー」
「はい、任せて下さい」
…同じイーストグレン帝国の騎士…自分が帝国騎士に入隊した時にはすでに三帝の地位にいた…憧れた…恐れた…妬ましかった…
…越えたかったか壁は高くも広かった…己の才を見定めてくれ、鍛えてくれ、道を示してくれた…
…魔王討伐に付いてこれたのも、目指す先が付いてこいと言ってくれたから…入り交じる感情…
純粋な憧れと汚れた嫉妬…皇帝の幼馴染みとして剣を振るうためにも…必ず越える汚れた憧れを…殺すことになろうとも…
「でも、任されると普通に嬉しいんすよ」
「準備ハ、完了カナ?」
…ローが物思いに耽っていると…フルフェイスの兜を被った魔族が声をかけてくる…四魔将…ローの気配が変わる…
「四魔将…お逢いできて光栄です」
「コレモ光栄ダナ、コレノ勝利モ栄エルカラナ」
…妬ましい…確実に勝てると思えるこの自信…こう言う奴らを叩き潰すのが面白いんだよ…
【嫉妬の門番】【難攻不落】ローが皇帝より預かりし聖剣を構える…
「イーストグレン帝国特別騎士トランプがjoker ロー・G・ドラインハーツ…覚えなくていいですよ」
「コレハ、魔王サマ近衛部隊ガ四魔将…【魔斧砕将】バーサス…」
彼は笑う、たった一つの壁を越える為だけに…純粋に汚れた憧れを越える為だけに…彼は無傷を貫く…
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