序章

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「さぁ、迷える仔羊と我が剣の糧となれ」 「うるせぇんだよ」 …魔王の言葉に素っ気なく答えるショウであるが、流石に警戒してる故の素っ気なさ…魔王の持つ魔神器白影華の能力は三つ… 屍人を産み出す 《百鬼夜行》 影を支配する 《影の王》 …この二つだけでも強力な能力だが、魔王たる所以の最恐最悪の能力… 私怨や怨念を己の力とする 《魔王》… 己の眷属が死ぬ度に魔王は強くなる…無限に眷属を産み出せる魔王…そう、魔王は無限に強くなる… 「…卑怯だろ、その能力は…」 「…汝が言うか?影の王は汝が白刀の能力で打ち消されてるだろう?」 「それだけしか、出来ねぇんだよ!」 ショウの怒涛の乱舞も、児戯の様に対応する魔王…嫌…本当に児戯なのだろう…勝つつもり無いの魔王に取って… …ショウは魔王から距離を取るとため息混じりに口を開く… 「…やる気あんのか?」 「…メリアナは…」 「…あ?」 「…メリアナは…我を恨み還ったのか?」 「……嫌…アンタに、最後まで詫びてたよ“母さん”は…」 「…そうか…我には本当に出来た妻であった…魔王に魅入られた我を恨みもしないとは…」 「…俺には関係ないな…魔王を殺す、それだけだ…」 「…我を殺しても、汝が新たなる魔王になるだけだ」 …白影華をしまい、椅子に座る魔王…もう戦う気は無いのだろう…ショウも刀をしまい言葉を続ける… 「俺が?寝ぼけてんか?」 「魔王とは呪い…魔王に魅入られた者、魔王を殺した者、負の念に取り込まれた者…汝は次代の魔王にうってつけだ…」 「ふざけんなよ…まるで俺が…」 まるで俺が…そこまで言ってショウは言葉にするのをやめる…否定が出来ない?…“魔王の血を引く”者として…可能性は否定が出来ないのか? 魔王はショウが悩んでいるのを見ると、立ち上がりショウの元に近寄ると… 「なっ!何してんだよ!?」 ショウを抱き寄せる…
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