序章

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【魔王死す!天地海戦役は連合軍の勝利!】 魔王が死に2週間…世界各国にこの情報が行き渡る頃…魔力も気力も使い果たした七英雄達もようやく動けるくらいにまで回復していた… 「…終わったな~…長い様で短かったな…」 ショウのそんな言葉とともに一行はノースグレル連邦国を出発した最初の分かれ道にたどり着く… …魔王が死んだ事は世界にとって良いことである事は間違いない…しかし、魔王がいることで人同士の争いは無くなった… 自分達が国に帰還すれば、戦争がまた始まる… それが分かっているからこそ、誰も動こうとせずに黙っている… 「んじゃ、私は右だから」 そんな空気を壊すかの様にリリスが言葉を発するとミラージュが口を開く… 「り、リリス…ぬしは軽いの…」 「ん?戦争の話?私達7人程度が悩んだって仕方なくない?」 「それはそうじゃが…」 「王国と帝国の大陸平定っていう同じ理念でさえ喧嘩してんのよ? セレンティーヌ所やツキカゲの所の鎖国国家、私の所とあんたの所みたいな中立国家…今回協力してくれた連邦国、やる気のない共和国に合衆国だっていざこざなんかしょっちゅうじゃん? なる様にしかならないわよ?」 「それでも!ワシらが敵同士になるかもしれんのだぞ!?」 「それこそ考えるだけ無駄、私は公国の為、ミルヒの為に戦うだけ…ミルヒが悩んで出した答えが戦争だって言うんなら私はあんた達と戦う…」 …覚悟の目…何も悩んでいない訳じゃない…悩んだ末に出した答え…それを理解しているからこそ誰も言い返せない… 「リリス」 そんな中、ショウがリリスに声をかける… 「何よ?」 「お前の銃捌きには幾度なく助けられた」 「は?」 「ベントナ峠のストームドラゴン戦、モルダッコ城を守護してた鎧の巨人戦…んま、1番印象深いのは出会い頭に撃たれた事だな」 「何が言いたいのよ?」 「みんなも聞いてくれや」 リリスの言葉を流すかのように、ショウは1人づつに声をかけ始めた…
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