序章

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魔王が滅び、早ひと月半…。 帝国の英雄 ショウ・ヤノツキと法国の英雄 セレンティーヌ・Y・フォルカニアは帝国の法国の別れ道にいた…。 「ここを左に曲がれば帝国だな?」 「そうだけど…皇帝に挨拶する前に、自分の領地に帰るからまだ一緒だぞ?」 「そうなのか?しかし、あそこにいるのはお前の部隊だろ?」 セレンが指差す方向をショウが見ると、灰色の軍服を着た帝国兵の部隊と黒い軍服の小隊がこっちに向かって歩いて来る…。 帝国兵はショウとセレンの前で整列すると一斉に敬礼する…そして、灰色の軍服の尉官と黒軍服の見慣れた女が前に出てきて敬礼する。 「イーストグレン帝国軍 《TRUMP》クローバー団長補佐のジルベルト大尉です。帰還をお待ちしておりました。ヤノツキ銀狼帝閣下」 「同じく帝国軍三帝直属部隊 《銀狼》副隊長 フェリア・M・アジューカス中尉です。お帰りなさい隊長」 「ああ、ただいまフェリア…お前らなんでここに?領地の防衛は問題なさそうだが…迎えを頼んだ記憶は無いが?」 そもそも、帰還時期を言ったわけでも無い…1週間くらい前からショウとセレンの動きを把握し対応していたのだろう… フェリアと呼ばれた女性が口を開こうとすると、ジルベルトと名乗る男がそれを遮り口を開く… 「申し訳ありません閣下。アジューカス中尉には立会人として同行をお願いして頂きました。」 「クローバーって事はベイクのとこの若造か…ベイクは知ってんのか?」 「はい、クローバー隊長だけでなく。陛下の勅命により馳せ参じた次第であります。」 「陛下の?ローが一足先に早馬で帝国に帰ったのと関係あんのか?」 そう、同じ帝国軍であるローは一足先に早馬で帝国に帰還していた…その時は皆さんの邪魔する訳にもいかないんでとか言っていた様だが… 「申し訳ありません。守秘義務になっております。閣下御同行を願います。 …閣下には、反逆罪の容疑がかけられております。」
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