序章

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イーストグレン帝国 才があれば、優秀であれば、どんな者でも出世できる国…辺境地の異民族でも、猟奇的殺人鬼でも、帝国の血を一切引いていない法国人でも… 【三帝】 イーストグレン帝国皇帝が認めし、3人の帝の名を有する者…それぞれにそれぞれの領地が与えられ各々の統治権を持つ…【氷絶女帝】エスデラ・ゼルディン 【殺刃帝】ガイウス・ガルハザッハ 【銀狼帝】ショウ・ヤノツキ …歴史ある三帝の中で、この3人だけが〝前三帝を殺してその地位についている〟…さらにその中でもショウだけが、前三帝全員に天才と怖れられた。 そんなショウを決して怒らせてはならない… そんな恐怖の雰囲気に押しつぶされない様に馬車は帝国に向かう… 「銀狼帝閣下…まずは謝罪をさせていただきます」 ジルベルト大尉は、ショウを怒らせないという唯一にして絶対の任務を命がけで遂行しようとしていた…。 「謝罪?お前はお前の仕事をしてるだけだ…謝る必要なんてねぇだろ?」 「そう言う訳には参りません。今回の任務はクローバー団長より言い渡されたのですが、私自身納得はしておりません。」 「陛下の勅命なんだろ?」 「クローバー団長も、ジョーカー団長にそう言われただけと言っておられました。」 「ローにね~…まぁ、陛下に直接聞くよ…」 …めんどくさかったら壊すだけだからと呟くショウに恐怖するジルベルト…自分より7つも歳下の男になぜここまで恐怖をしなければならないのか? …それもそのはず… ショウが帝国の門をくぐったのは11の頃…帝国軍入隊試験の時に当時のTRUMPのNo.6とNo.8の隊長と部隊を壊滅させたのだ… No.6とNo.8の隊長の死体を引きずりながら、皇帝の前に立つと… 「ごめん、態度がムカついたから壊しちった」 その一言に当時の皇帝と三帝は恐怖したと言う…さらにショウの異形を確認した一言として… 「強いな童よ…その者らは強かったか?」 興味本位…ただそれだけの質問であったのに、ショウは引きずる死体を見て… 「…いや?この程度の奴らなら…もう2、3人いても変わらないかな?」 異形の天才…ショウが入隊と同時にTRUMPのNo.に抜擢された有名な話である… そんな化け物と息の詰まる馬車の旅… ただただ恐怖である…
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