序章

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「…えっと…二人とも仲良いですよね?」 「「はぁ!?」」 …こういった酒の席で二人によく絡まれるローであるが、毎回対応に悩まされる… 結局のところ、何を言っても意味が無いのでローに出来る事と言えば… 「妾がこんなガサツ兎娘と仲が良いじゃと!?ぬしの目は節穴か!?」 「マジありえない、マジ意味わかんない…誰がこんな貧乳ロリっ子ババアと仲が良いわけ?」 …二人の罵倒を一挙に浴びるのみ… そんな三人のテーブルとは別のテーブルに… 王国騎士の象徴である白き鎧、そして5つの剣の星の紋章が入ったマントを羽織った金髪の男と和国の袴と呼ばれる服を纏い、右目には眼帯を着けた青髪ポニーテールの女が静かに酒を呑んでいた… 「全く…相変わらずうるさい奴等だな」 「仲良き事は素晴らしい事…ゼノヴィスも混ざってくれば良かろう?」 「…いや、遠慮する…ショウやお前に言われ何度か奴等に付き合ったが悲惨だった…あれなら魔物討伐の方が楽だな…」 そう言いながら酒を呑む男は王国騎士最強と謳われるゼノヴィス・Z・レオンヴェール… 26貴族の長にして、獅子人族の血を引く者…七英雄のリーダーにして一番の常識人である。 「ははは、拙者もそれには反論は出来ぬで御座る」 ゼノヴィスに賛同するかの様に酒を呑む古風な話し方をする女はツキカゲ・ヤギュウ… 和国鬼倭の生きる伝説と謳われる彼女は、その時代の最強の剣士である【刀神】の名を持つ… 「…こんな事をしていると…明日が決戦なんて信じれんな…」 「…ゼノヴィスがそれを言うので御座るか?」 「ふん、我とて感傷に浸るときもある…ツキカゲには無いのか?」 「…拙者はショウに惚れ、一行に加わった身…拙者の想うところはショウの笑顔で御座る…」 「…罪深いな…」 「お互い様で御座るよ…」 「…ん?そう言えばショウはどこだ?」 「…セレンと外で呑んでるで御座る」 「そうか…まぁ、奴も所詮…」 「ゼノヴィスさん助けて下さい!!」 「ちょっとロー!!アタシの酒が飲めないって言うの!?」 「ツキもゼノももっと呑むのじゃ~!!」 「…お前らな…」 「んま、付き合うしかないで御座るな?」
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