序章

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「…この戦争が終わってお前はどうする?」 「ん?気が早ぇな?どうした?」 「いや、なんとなくな…」 …ショウはセレンティーヌの言葉に少し考えると、屈託のない笑顔で… 「んま、軍人は辞めるかな?」 …いい放つ…セレンティーヌも予想の範囲内だったのか言葉を続ける… 「…お前は今や帝国の象徴だろ?」 「俺がいなくても皇帝がいる限り何とでもなるよ…マリアとさ、孤児院やるんだよ」 「孤児院?」 「あぁ、明日魔王をぶっ壊し所で今度は国同士、人同士の戦争が始まる…もうめんどくさいんだよ、救える命を見捨てんの…」 …ショウの真っ直ぐな瞳を見てセレンティーヌは思う… こいつとは何度衝突し何度壁を乗り越えて来たのだろう…こいつだけは死なせる訳には行かない…友の為、世界の為に愛した者として… セレンティーヌはショウの肩を叩くと店の中に戻りながら口を開く… 「ふん、私は帝国は嫌いだ…お前もマリアも法国出身の癖に帝国に身を置いて… …お前の言う通り魔王を滅しても、愚かな国同士の戦争が始まる… …だから…その… …いつでも帰ってこい法国に…お前達の面倒くらいこの《妖精女王》の名の元にしっかり見てやる…」 …セレンティーヌの言葉に唖然とした顔をするショウであったが、直ぐに耐えきれなくなり笑いだすと店の中に戻っていくセレンティーヌに声をかける… 「くくく…本当素直じゃねえな…セレン、愛してるぜ未来永劫かわんねぇ」 「ふん、私も愛してるぞ?未来永劫な…」 …セレンティーヌが完全にテラスからいなくなったのを確認するとショウは煙草に火を点ける… 「明日か…待ってろよ魔王…この世で一番お前を壊したい男が会いに行くぜ…」 …物語はまだ始まってもいない…
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