序章

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ノースグレル連邦国北方に位置する、ノースアウト大墳墓湿原…数こそは少ないがSランク級の魔物も生息することから、超危険地区に認定されている… そんな大墳墓湿原に突如現れた魔王…湿原を荒野にし、生息する魔物の生態系を変えるなどを行いその異形の力を世界に知らしめた… 超危険地区は特級禁止地区に評価を上げ、誰も近づかせない事で被害を抑えていたが… 今宵、その禁も解かれる… 魔王の城とその前に並ぶ魔王軍が一望出来る丘台に世界の希望である七人が並ぶ… 「…まったく、うじゃうじゃうじゃうじゃ、気持ち悪いわね…あれ何体ぐらいいんのよ?」 「だいだい…10万は超えるかと…」 「7対10万…多勢に無勢じゃな…」 「一人頭約一万と四千少し…斬りごたえがあるで御座るな」 「ふん、魔王の首を取れば終わる話だ」 「適材適所で行きましょ?今まで通りにね」 「……………………」 …六人が魔王軍を見て各々の想いを口にする中、ショウだけは煙草を吸いながら無言でいる… 六人とも、どうした?と見ているとショウは振り返りながら口を開く… 「なあ、すげえワクワクしねぇか?」 『はっ?』 あまりの唐突過ぎる言葉に全員唖然とするが、一番慣れているセレンティーヌが声をかける… 「ワクワクって…どういう意味かしら?」 「ん?ワクワクって言うのはな…」 「違うわ、どうしてワクワクするのかしら?」 「そりゃ…今からこんな大軍に七人で勝っちまうなんてワクワクしねぇわけねぇだろ?」 『えっ?』 …屈託のない笑顔で語られるその言葉には深い意味なんてなにもない…しかし、全員唖然とするしかないのも事実… 「待て待て、ショウ!どういう事だ!?」 「あ?お前までどうした?ゼフィー?」 「幼名で呼ぶな!この大軍に勝算があると言うのか!?」 「…勝算も糞も、勝ち戦って決まってんだろこんなの?」 「理解が出来ん!お前は確かに常日頃から頭のネジが外れたような発言が多かった!!正直何度もこいつは馬鹿か?だとか、こいつは終わってら~って何度も!何度も!何っ度も!思ったが、今日は酷すぎる!!」 「…え~…ゼフィー…そんな事思ってたのかよ~」 「幼名で呼ぶなー!!!」 大墳墓湿原に獅子の咆哮が木霊する…
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