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 3ページ  みんなは拍手して大喜び。メーナの母が誉めた。 「メーナ、素晴らしい! お母さん嬉しい! メーナ、一番素晴らしい事はね、メーナが自分でやった事を喜んでいる事だよ」  メーナの父も誉めた。 「メーナ、お父さんも嬉しい! メーナが一番素晴らしかったのはな、一生懸命頑張った笑顔だよ。みんなと一緒に一生懸命頑張った笑顔だよ」  メーナはにこやかに、 「花が咲いたのを思い出すとね、嬉しかったの。綺麗、そう思えるのが嬉しかったの。みんなの笑顔も嬉しかったの」 「メーナ、本当に何も要らない?」  メーナは村長に言った。 「要らないわ。お父さん、お母さんが幸せだから何も要らないわ」  そこに腹黒い侵略者の男が三人現れた。 「それじゃ我々がいただこう。ここは我々が支配する。ここの地下には無限の資源が眠っている。お前たちはここから出て行け!」 「出て行けだと? 冗談じゃない! ここは我々の聖地だ!」とメーナの父。  メーナの母が、 「そうよ、冗談じゃないわ! ここは私たちの聖地よ」 「うるさい! ここから出て行け!」  侵略者たちは武器で身構えた。村長は侵略者たちに向かって、 「全ては神様がお決めになる。何をもって? 心の美しさだ。全てを支配する者は悪を作る。心の美しさに全てを捧げる者は光を作る。心の醜さは闇を作り、その闇が己を滅ぼすだろう。さぁ花の妖精たち、ものを見せてやりなさい」  程なく虹が現れた。そして一同は見た。遠くの山々から溶岩が吹き上がった。その溶岩が迫り来るのを一同は見た。村長は吹き出す溶岩を見つめたまま、声を大きく叫んだ。 「さぁ炎よ、心を炙れ! 醜い心を焼き尽くし、美しき心を導け! 全ては美しき心に導かれる運命。神よ、運命の炎を導け! 心美しきままに。愛という炎に焼かれるなら、私は命を捧げる。私かは動かん! ここは私の聖地だ」  村長の思いに同意した住民たちは、 「そうよ。ここは私たちの聖地よ。ここは私たちが命捧げる聖地。どんな事があってもここを動かないわ!」 「そうだ。ここは我々の聖地だ! ここで我々は命を繋ぎ合っていく。我々はここを動かん!」  溶岩はさらに勢いを増して吹き上げた。そして炎も吹き上げた。侵略者は声を大に叫んだ。 「一刻の猶予も持たん。今すぐここから出て行け! わしらが持っている武器は飾りじゃないぞ!わしらは利益を得る為に命をかけている」
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