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彼らは口々に、
「何と感動に満ちた光! 何と光輝く芸術!」
「何と神々しい光! 運命と神の出会いだ!」
「何と光に満ちた芸術! 運命の無限! 芸術の無限! 運命と神との出会いだ!」
侵略者たちの改心に村長はやや安心した声で、
「善が出たか、それは素晴らしい! 本当に美しい心は、自らの中に闇を持たぬものだ。悪を持たぬものだ」
侵略者たちは落ちている武器を拾った。
「わしらはこんなものを持っていたのか、恥ずかしい! こんなもの、命の尊さには何の役にも立たん。むしろ害だ」
侵略者たちは銃先を地面に置き、片足を銃に乗せ、思い切り力を込めた。大男たちの力は銃を曲げた。
「皆さんには多大な迷惑をかけた。申し訳ない。我々は心のない、人間の形をした幽霊だった。皆さんにはさぞ醜く、恐ろしい生きものに見えただろう。本当に申し訳ない!」
村長は光の芸術に目を向けた。そして安心した声で、
「この光景に運命と神の出会いを感じる。運命の無限と芸術の無限に、神との出会いを感じる。素晴らしい事だ。私は心から祝福するよ。改心した心は素晴らしい! 我々は自分の都合に合わせて物事を見ると、弱く脆い。生きる事が大切とはいえ、心を無くする事は悲しい事だ。自ら心を正す運命は素晴らしいよ。みんなで助け合い、支え合えば、神の愛は必ず芸術に変わるであろうよ」
「村長様、その通りです。自分に都合のいい目で見ると、弱く脆いです。でもご免なさい。私たちは時に、自分に都合のいい目で見ます。だって、いつもいつも思うようにはなりませんもの。でも私たちは愛に心を捧げる事を忘れません」
「それでいいんだよ。命の尊さを包む愛も、時に判断を誤らせるからね。でもね、愛を捧げる心はいつも美しいよ」
「済まなかった。申し訳ない。我々は出て行く。誰にも怪我をさせなかった。それがせめてもの救いだ」
出て行こうとする男たちに、村長は言葉をかけた。
「あなた方にやってほしい事があるんだがね」
「何でしょう?」
「我々のシンボルが倒れかかっている。このままでは危ない」
「シンボル?」
「大きな桜だよ。倒れかかっている。どうしても元のように蘇らせたい。我々には無理だ。もし良ければ力を貸してほしい」
住民たちは警戒心を解けぬままだった。
「そのシンボル、皆さんには重要かね?」
「とても重要だ。我々の心のシンボルだ」
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