第1話『完璧少女の秘密』

2/2
前へ
/3ページ
次へ
成績優秀、スポーツ万能、容姿端麗。優等生な彼女、桐島椿。 誰もが憧れる高嶺の花。無論、俺なんかが手が届く人なんかじゃない。 なのに、俺は見てしまった。彼女がナイフの如く鋭い鋏を使って女性の腹を切り裂いて、鋏についた血を拭き取りながら笑っていた。 腸や子宮、腹や心臓などが女性の体から出ていて、額には彼女が持っている鋏と同様の鋏が刺さっていた。 怖い、今すぐ逃げたい。 カランッと近くにあった鉄パイプを蹴ってしまった。 「誰!出てきなさい!そこにいるのは分かってるのよ!」 気付かれた・・・・・・あの女性のように殺されるんだ・・・・・・。 ゆっくりと足音が近付いてくる。目の前で足音が止まり、目を開くと目の前には鋭く尖った鋏がむけられていた。 「貴方、私の秘密見たのね?」 こくこくっと言葉の代わりに頷いた。 「そう……」 スッと鋏が目から首元に動き、彼女は嬉しそうな表情で、まるで新しい玩具を見つけた子供のように笑っていた。 「貴方、私の『下僕』になってもらうわね?」
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加