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俺はなんだか嫌な予感がして、すぐに家を飛び出した。
もうすぐ夕ご飯だった様で、リビングはいい匂いがしていた。
…そういえば、凜は大丈夫なのか。
まぁ母さんが居るしなんとかなるだろう。
凜が風邪を引いていたことを思い出しながらサクの家まで、止まらず走る。
家の前で呼吸を整え、深呼吸をする。
一応呼び鈴を鳴らすが、やっぱり返事はない。
ほんの数時間前、この家でサクの余命の事を聞いたから、不吉な事しか俺の頭に無かった。
…頼むから、無事でいてくれ。
鍵が掛かっていなかったので、すぐに開けてリビングまで行く。
「サク!いるか!」
声を上げながら、一通りの部屋を見渡したが、サクはいなかった……。
放心状態のなか、またケータイが鳴った。
着信はサクからだ────。
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