2015夏

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『ママは明日から出張だから、おりこうにしていてよ!』 私は明日から3日間分の晩御飯を作りながら子供達に声を掛ける。 ついつい子供扱いをしてしまうが、 『母さん、俺ら、もう高校生だから大丈夫だって! っていうより、母さんこそ忘れ物とかするなよ(笑)』 息子の貴広が笑いながら答える。 小さい頃は思わなかったけど、最近、 その何気ない笑い方が高ちゃんに似てるように感じる。 そして、貴広の横で、見た目や性格が私と瓜二つの愛梨が、 『兄ちゃん、私は朝、絶対起きれないから起こしてよ! ママは今回、どこへ出張? お土産は学校の友達と食べれるよう、地域限定の"じゃ○りこ"がいい! この前の“伊予甘チ○ル”は微妙だったけん(* ̄ー ̄) でもね! クラスのえっちゃんはあれが気にいってさ…』 私のことより、お土産のリクエストばかり。そして、よく喋る。 息子と娘で、こうも違うのか…。 『お前さぁ、そろそろ自分のことは自分でしろよ。 ところで今回はどこへ行くの?』 『今回は福岡。へへへ(笑)』 『あっ!じゃあ、愛梨のお土産はの“通りもん(←博多の銘菓)”がいい!!』 またまたテンションが上がる愛梨を私は『はいはい♪わかったから お皿取って! 平たい白いお皿。(笑)』 と落ち着かせ、明晩用のおかずを盛り付ける。 『明日はこれとサラダを冷蔵庫に入れておくから食べてよ。 あーちゃん(愛梨)は“通りもん”ね。 たかちゃん(貴広)は?』 『俺は何でもいいよ。 愛梨はホンマにガキやなぁ。 母さんは仕事なんだからなっ! 母さん、明後日の晩御飯は?』 『これからハッシュドビーフを作って、小分け冷凍しておくから、明後日と明明後日でそれぞれ解凍して食べてくれる?』 『やったぁ! でも、母さんが居ないってことはハッシュドビーフの上にふわふわ卵がのらないってこと?』 『当たり前じゃん。 お母さん、卵焼きを作りに帰ってくる訳にいかないもん。』 『わかっとるけど、ショックだぁ!』 私の出張前はいつもこんな感じ。
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