11人が本棚に入れています
本棚に追加
『ママは明日から出張だから、おりこうにしていてよ!』
私は明日から3日間分の晩御飯を作りながら子供達に声を掛ける。
ついつい子供扱いをしてしまうが、
『母さん、俺ら、もう高校生だから大丈夫だって!
っていうより、母さんこそ忘れ物とかするなよ(笑)』
息子の貴広が笑いながら答える。
小さい頃は思わなかったけど、最近、
その何気ない笑い方が高ちゃんに似てるように感じる。
そして、貴広の横で、見た目や性格が私と瓜二つの愛梨が、
『兄ちゃん、私は朝、絶対起きれないから起こしてよ!
ママは今回、どこへ出張?
お土産は学校の友達と食べれるよう、地域限定の"じゃ○りこ"がいい!
この前の“伊予甘チ○ル”は微妙だったけん(* ̄ー ̄)
でもね!
クラスのえっちゃんはあれが気にいってさ…』
私のことより、お土産のリクエストばかり。そして、よく喋る。
息子と娘で、こうも違うのか…。
『お前さぁ、そろそろ自分のことは自分でしろよ。
ところで今回はどこへ行くの?』
『今回は福岡。へへへ(笑)』
『あっ!じゃあ、愛梨のお土産はの“通りもん(←博多の銘菓)”がいい!!』
またまたテンションが上がる愛梨を私は『はいはい♪わかったから お皿取って!
平たい白いお皿。(笑)』
と落ち着かせ、明晩用のおかずを盛り付ける。
『明日はこれとサラダを冷蔵庫に入れておくから食べてよ。
あーちゃん(愛梨)は“通りもん”ね。
たかちゃん(貴広)は?』
『俺は何でもいいよ。
愛梨はホンマにガキやなぁ。
母さんは仕事なんだからなっ!
母さん、明後日の晩御飯は?』
『これからハッシュドビーフを作って、小分け冷凍しておくから、明後日と明明後日でそれぞれ解凍して食べてくれる?』
『やったぁ!
でも、母さんが居ないってことはハッシュドビーフの上にふわふわ卵がのらないってこと?』
『当たり前じゃん。
お母さん、卵焼きを作りに帰ってくる訳にいかないもん。』
『わかっとるけど、ショックだぁ!』
私の出張前はいつもこんな感じ。
最初のコメントを投稿しよう!