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生まれてから17年間。
私にとって生きるという意味は、真っ黒闇を蠢くということと同義だった。
明日は、いらなくても押し付けるようにやってくる。
それがただ延々と続いていく。
私にとって人生とは、そういう名の拷問だった。
一日というまったく同じ毎日が、金太郎飴のように続く。
だからどこで斬り取っても、殺すから殺すためかの違いしかなかった。
そこに、白柳進也という異物が入り込んだ。
その相手は、今までのありとあらゆるなにものとも、違っていた。
殺す対象ではない。
だが殺すしか能がない自分に、意味のない働きかけを繰り返した。
その意味はわからない。
だがその意図が、どうしてもわからなかった。
殺すしか、ないのに。
殺したいの? 殺して欲しいの? それとも他に殺すという冠がつく単語を求めているの?
それがどうしても、わからなかった。
そんな私に、彼は飽きずに声をかけた。
色々なアクションを、続けた。
カレーパン好き? ジュース飲む? ゲームセンター知ってる? 海に行かない?
なにかあっても、僕がきみを守るよ!
不思議だった。
意味がわからなかった。
いや意味はわかるが、意図がわからなかった。
私にどうして欲しいのかが、どうしても理解できなかった。
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