突然は必然?

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それが慶吾との出会い・・ あの日は結局重たい教科書を二人分持ち帰って彼が来るのを待った。 だが、彼がそれを取りに来たのは一週間もたってからだった。 子供の頃から変った人だった。 2年になって一度は別のクラスになったが3年になってまた同じクラスになった。 中学位の男子はものすごく成長する。 1年の時とは丸で違い声も変り、背も私より遥かに高くなっていた。 でも女のように美しい顔だけは変らなかったけれど。 それに比べ、女子は・・ いや、私はたいして成長しなかった。 3年の夏まで生理も無くて胸もAカップ以下。 二つ年下の妹はもう生理もあって胸もBカップだと言うのに・・ その夏、修学旅行を目前に私は初潮を迎えた。 母に言われ楽しみにしていた修学旅行を諦めた。 出血も多かったしお腹も痛かった。 もし旅館でシーツを汚す事にでもなれば恥かしい思いをするからと言われたからだ。 それでもやっぱり行きたかった。 一人だけ取り残された気がした。 それだけではない。 私の修学旅行に合わせて予定されていた家族旅行が取りやめにになると言うと妹が物凄い抗議に出た。 結局妹に泣き附かれ私一人が家に残る事になった。 それも、3日間も・・ 旅行に出る家族を見送った後 修学旅行の為に買った下着を見る。 スポーツブラから初めてレースの付いたピンクの可愛いブラを買ったのにな・・ 思い立ってそのブラを付けて鏡を見る。 Aカップのブラは私のまな板のような胸に少し浮くように付けられていた。 妹の胸を思い出して少し悲しくなる。 「まあいいや、こんな貧相な胸、友達に見られて笑われなくて良かったんだ」 そう呟いた。 玄関の呼び鈴が鳴る。 慌ててシャツを着て下へ降りた。 玄関を開けると慶吾が立っていた。 「どうしたの? 修学旅行は?」 「風邪だって言ってたけど、元気そうじゃん」 母は学校に風邪だと言ったのかと思っていると、慶吾が断りも無く家に上る。 「ねえ、ちょっと」 止めようとする私を横目で見た。 「君の部屋、どこ?」 「え?二階だけど・・ ねえ、何?」 「君の見舞い・・ 二階かぁ、上るの面倒だな」 先に階段を上り私の部屋に入った。 ベットの上には下着が広げられている。 慌てて追いかけて布団の下に隠した。 慶吾は部屋の中を見回す。
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