序章

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「―――世の中は変わった」 首都東京―――。 一人の青年が街“全体”を見渡せる高層ビルの屋上で呟いた。 街は酷く明るいのとは対照的にに空は星が見えないほど酷く暗い。 そして人は“何か”に酔いしれたように酷く堕ちたような気が青年はした。 今から150年以上前、世界を巻き込む大きな戦争があった。 たくさんの人間が戦に出て、たくさんの兵器が使われた。 そして、たくさんの人間が犠牲になり、たくさんの人間が死んだ。 この国も世界も秩序も安寧も全部、全部、何もかも壊された。 が、何事も無かったかのように今の時代は元に戻っていた。 元よりもより良く快適に。 時代の流れだろうか? いや、違う。 その“事実”を消し去るように。 真実を隠すように。 だが、これは150年以上も昔の話。 今となっては“それ”を知る者が時代の流れと共に少なくなり、“それ”は昔話として語られている。
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