ナツの誕生日会

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◆◇ 「で、皆に進展は?」 皆が良い感じにホロ酔いになった頃、ナツがウキウキして聞いてきた。 口が滑りやすい時を狙ってくるあたり、やり手だなぁと思う。 「ないない。 誰か紹介しろって」 「ダメよ! ヒロなんか紹介した日にはーー」 「んだとー?!」 ダメだ。 酔いのせいで喧嘩っ早くなってる。 「タカは? さっちゃんと上手くいってる?」 強引に話題を変えてみる。 「ふつー」 「あ、そう」 終わった。 空気読んでもっと話してよー! 「柚月はどうなの?」 今度は私に振られてしまった。 「私は何もないよ」 「またまた~。 超イケメンとの出会いがあったじゃない」 その話するの?! って言うかヒロには内緒じゃなかったの? 「なになになに??」 「僕も気になる」 ほらーもう食いついてきたし。 まぁナツとたっちゃんならいいか。 とりあえず誕生日のことだけ伏せて、井崎さんと3度会ったことを話した。 「柚月の春も近いかもねー」 ナツは久しぶりの恋バナだったらしく、ニッコニコしている。 酔っ払いの中にいると、飲んでもいないのにつられて上機嫌になるのかもしれない。 普段の誕生日会なら1日中どんちゃん騒ぎになるのだが、今回ナツは身重なので夕方でお開きになった。 プレゼント類を持つのが大変だろうからと、たっちゃんが家まで送って行くらしい。 その辺のことに気づいてサラッとやってくれるところがたっちゃんの凄いところだ。 2人が帰り、片付けとお昼の残り物で夕飯の準備をする。 その間ずっとヒロが「3度も偶然があるはずない」とボヤいていたが、酔っ払いの戯言として気にしないことにした。
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