第1章

2/8
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
ここはとある研究施設。ここにいる誰もが、試験管で何かをしたり、パソコンと睨み合ったりしている。 勿論、僕もその1人だと言いたいのだが、そうではない。僕はしがない警備員だ。 僕の主な仕事は朝晩に出入りする研究者に挨拶をすること。 セキュリティー面は全て最新鋭の機械達が働いているから、そこに人は必要無い。 今日もそろそろ彼女が来る時間だ。名前は知らないが、いつも笑顔で挨拶をしてくれる。いつの間にか、それが僕の唯一の楽しみになっていた。 また今日も無駄に大きなドアをくぐり、目の前までやって来る。 「おはようございます」 「おはよう」 たったそれだけ。これが済めば、後の半日はすることが無い。 .
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!