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ここはとある研究施設。ここにいる誰もが、試験管で何かをしたり、パソコンと睨み合ったりしている。
勿論、僕もその1人だと言いたいのだが、そうではない。僕はしがない警備員だ。
僕の主な仕事は朝晩に出入りする研究者に挨拶をすること。
セキュリティー面は全て最新鋭の機械達が働いているから、そこに人は必要無い。
今日もそろそろ彼女が来る時間だ。名前は知らないが、いつも笑顔で挨拶をしてくれる。いつの間にか、それが僕の唯一の楽しみになっていた。
また今日も無駄に大きなドアをくぐり、目の前までやって来る。
「おはようございます」
「おはよう」
たったそれだけ。これが済めば、後の半日はすることが無い。
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