第1章

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「そう、つまりですね、私を見ている間、心臓に痛みを与えます。そのうちに私を見るだけで心臓が痛くなるということを実験します」 そう言われても全く理解出来ない。 「とにかく、やれば分かりますから。私を見て下さい」 言われた通り、彼女に目を向ける。と同時に胸の辺りに痺れるような痛みが走る。 「はっ、はぁ、あっ…」 叫びにもならない声が出て、目を閉じると痛みは消えた。 「駄目ですよ。ちゃんと見ないと…」 彼女の言っていたことが今度こそ全て理解出来た。 痺れるような痛みが無くなった後も多くなった心拍のせいで、心臓は鳴りっぱなし。だから、痛みはすぐには消えてくれない。 .
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