0人が本棚に入れています
本棚に追加
どれだけそうしていたのかも分からない。目を閉じることは許されず、胸の痛みは幾度も繰り返された。
それはたった1日だったかもしれないし、1ヶ月くらい経っているようにも感じられた。
後ろでドアが開く音が聞こえた。少しずつ心臓が速く打ち始める。
「おはよう」
彼女の目に飛び込んできた時には苦しくて、苦しくて、仕方なくなっていた。
「やっと、同じになりましたね」
あぁ、いつか見たあの笑顔だ。
僕の上に向かうように座る。そして、体を僕に近付けると自然に彼女の胸が顔に当たり、鼓動が伝わってきた。
初めて聞いたけど僕と同じだ。彼女の実験は成功した。だから、もう二度と僕は元に戻れないだろう。
こうして彼女によって、完全に囚われてしまったのだから。
―――――――――――――終
最初のコメントを投稿しよう!