第1章

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どれだけそうしていたのかも分からない。目を閉じることは許されず、胸の痛みは幾度も繰り返された。 それはたった1日だったかもしれないし、1ヶ月くらい経っているようにも感じられた。 後ろでドアが開く音が聞こえた。少しずつ心臓が速く打ち始める。 「おはよう」 彼女の目に飛び込んできた時には苦しくて、苦しくて、仕方なくなっていた。 「やっと、同じになりましたね」 あぁ、いつか見たあの笑顔だ。 僕の上に向かうように座る。そして、体を僕に近付けると自然に彼女の胸が顔に当たり、鼓動が伝わってきた。 初めて聞いたけど僕と同じだ。彼女の実験は成功した。だから、もう二度と僕は元に戻れないだろう。 こうして彼女によって、完全に囚われてしまったのだから。 ―――――――――――――終
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