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ふわふわとした白色の世界。
砂混じりの大地は歩きにくいはずなのに、不思議と前へ進める。
今日も空には照りつける太陽。
身を焼き焦がすって、みんな口々に嫌な顔をする。
月の方が落ち着くのは確かだけれど……、
強くて暖かいあの太陽だって大好き。
大きな大きな庭を早足で進んでいく。
ほら、もうすぐあの大きな木が見える。
──どうしてかな、すごく懐かしい。
「────!」
「…………え?」
聞き覚えのあるような男の人の声がした。
誰より近くて誰より遠い、不思議な感覚。
「……あなたは、誰?」
* * *
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