myth.01 月の加護をもつ少女

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 * * *  ふわふわとした白色の世界。  砂混じりの大地は歩きにくいはずなのに、不思議と前へ進める。  今日も空には照りつける太陽。  身を焼き焦がすって、みんな口々に嫌な顔をする。  月の方が落ち着くのは確かだけれど……、  強くて暖かいあの太陽だって大好き。  大きな大きな庭を早足で進んでいく。  ほら、もうすぐあの大きな木が見える。  ──どうしてかな、すごく懐かしい。 「────!」 「…………え?」  聞き覚えのあるような男の人の声がした。  誰より近くて誰より遠い、不思議な感覚。 「……あなたは、誰?」  * * *
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