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そいつはどことなく九鬼と雰囲気が似ていたけど、前世の夢を見たときみたいに、オレにはなぜか、それが九鬼とは違う人物だということがわかった。
祭壇に横たわっている男は、これはもう考えるまでもなく、明らかに慧とは全くの別人だった。
髪はくしゃくしゃ、上半身裸の痩せこけた体は垢にまみれていて、知性のかけらもない目が落ち着きなくきょときょとと動いている。
その男の手足は、ヒモで祭壇にくくりつけられていて、それを何でだろうと思う間もなく、
(えっ……!)
何もなかったはずの祭壇近くの空中に、いきなり一本の腕が現れた。
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