11人が本棚に入れています
本棚に追加
「4段階・・・・その4段階目はどのくらい強いんですか?」
「大人に成熟する前の状態。ほぼ、人らしく精神が成長している。」
怖いはずなのに、好奇心が勝った一希は透にさらに尋ねて後悔した。ならば、その上の5段階目は完全に人と同じ確立した精神を持つ厄介な敵になるという事・・・
「大丈夫よ!5段階目なんて私たちの生まれる前に現れ討伐された、伝説級の段階なんだから」
「・・・・は、い」
「さぁ、次行くわよ!!」
話を聞いて、黙ってしまった一希に透は、安心させるように言うとパンパンと手で自分の頬を叩き、歩きだした。
「まっ、待ってください」
それに、一希も一拍遅れながらも慌ててついていった。
「じゃ、私こっちだから。また明日今日の様に集合!」
「わかりました。」
大通りにでた透たちは、ある程度一緒に歩くとそれぞれの家路に別れた。
今日のことを振り返り、一人笑みがこぼれる透。その足取りは、いつもより軽いように思えた。
奏に心服(しんぷく)したわけでも、その整った顔によって来た自覚の少ない魔法少女ではない、純粋な一希がすっかり気に入った透
「明日は、どこへ行こうか?」
「あらあらぁ~これはこれは透ではございませんですことぉ~?」
「・・・・・・・」
「聞こえていますのでしょう?無視はよくないでございましてよ」
「ちっ、何だってのよ。奏にあったせい?顔も見たくない奴と会ったんだけど」
それ故にか、少女の接近に気づかなかった透は、その存在を認識して嫌そうな顔になる。対照的に頬を染め、にこりと微笑む少女もまた魔法少女 蜜月みみ子(みつきみみこ)。
「まぁ!酷い!!奏さまをその様に邪険になさって、いいえそのツンデレはどうにかなりませんの?」
「そっちこそ相変わらずね。はっきり言ってくれて結構、私がツンデレなんてものじゃないのは知っているはずよね?みみ子」
「えぇ、知っていましてよ?奏さまに選ばれた同じ魔法少女でありながら傲慢(ごうまん)にも奏さまを嫌っていらっしゃる透が大っ嫌いでしてよ」
最初のコメントを投稿しよう!