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甘い桃色の軽くウェーブがかかったミディアムヘアーに、誘うような赤い瞳を垣間見せながらふんわりお姫様のようなワンピースを翻し、手に持っていた日傘をくるくると回す。蜜月みみ子。
彼女こそ、奏に心服するものの一人。そして、一希の通う学校の一つ上の学年である、だからといって服装を見るからに彼女は不登校の部類に入るので二人が会うことはまずないだろうが・・・・
「私もあんたが嫌いよ。なぁ、顔すごいことになってるけど?写メでも取って大好きな奏に送り付けてやろうか?メルヘン厚化粧女ァ~??」
「フフフ・・・あはははははっ!!毎度毎度、言葉が過ぎましてよ?あぁっ、でも奏さまならこんな私もきっときっと!!」
「うぇっ・・・それで、なんかようがあってわざわざ、現れたんでしょう?」
透の暴言に、一瞬顔を歪ませたみみ子だがすぐに何がおかしいのか笑い出し、その体をくねらせる。
「そうでした、そうでしたわ!あなた、可愛らしい後輩ができたそうですね。奏さまから聞きましてよ?」
「そうだけど?あんたには関係ない」
「いいえ!関係大ありですわ!!聞いたところ私の所属する学校出身で、まだまだ純粋だそうじゃないですか」
昨日今日にして、奏に心服しているみみ子の耳に入るのは早かった。十中八九、機嫌のよかった奏に無理やり聞き出したのだろう。
しかし、それにしても食いつきがよすぎると透は思う
「今すぐ私に、お譲りくださいな。奏さまに従順に従うようにしつけて差し上げますわ!もちろん、自分の力を熟知した、無駄のない鍛え方をしてあげますわ。透の様に非効率の悪い鍛え方なんていたしませんもの?」
「誰の鍛えかたが非効率的だって?あんたの言うしつけでできたのが―――」
「口を慎め、十月透。」
「口を慎め、十月透。」
「來海礼世(くるみらいせ)と來海水主(くるみかこ)・・・でしょ」
狙いはそこかと、透の左右に音もなく現れた。容姿が全く同じの双子の魔法少女に獲物を突き付けられながらも、目の前にいるみみ子をきつく睨みつける透。動けば、透の首と体はすぐにお別れだ。
それを、満足そうに見つめるみみ子。
「よくできましたわぁー礼世、水主。でも、放して差し上げて??透が私に奏さまに、このような口調なのはいつもなのですから、気にする必要ございません事よ。」
「仰せのままに、みみ様」
「仰せのままに、みみ様」
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