第1章

2/16
前へ
/18ページ
次へ
引き込まれた裏路地でも、開けた道にでた奏たちは足をとめて向き合う 「ここらでいいか………とりあえずあんな、人目の多い所で飛び跳ねるなよ。無駄な気を使うだろうが」 「ご、ごめんなさい………」 「はぁ………わかればいい。それでお嬢ちゃん今、変身できるな?」 「はい!」 変身それに、一希は大きく頷き右瞼(みぎまぶた)を閉じると、再び開ける。 その右目に浮かびあがるはハートマーク、もう一度閉じて開くとセーラー服が可愛らしいフリルを沢山あしらったピンクのワンピース にピンクのトーク帽、白いフードが付いたロングマントへと早変わり、右手には自身の身長ほどある先端には、太陽をモチーフにした装飾のある白い杖が握られていた。 「変身完了です。」 「おーけーなら、半径50メートルぐらいで結界」 「封圧結界(ふうあつけっかい)展開続いて 範囲指定 半径50メートル」 奏の指示通り変身し、次に結界。白い杖を両手で持ち直し、眼前にかかげ一希を中心にふわりと目に見えない結界がぴったり50メートル展開される。 「はっ、なんだよ。全然出来るじゃねーか後は『アリス』を探すだけだぜ?」 アリス。名前からすれば、不思議の国のアリスを想像するだろうそれは正しく、間違いないのではあるがここにおいての『アリス』は『禍殃(かおう)』である。つまりは、不幸の原因であり原点である。人間の幸福を喰い物にする人類の敵。 一希は、そのアリスを倒すべく選ばれた魔法少女その1人だ。 「………」 「アリスは、人の形こそしてても中身は化け物だ。躊躇することも、罪悪感を感じることもないんだぜ?」 お嬢ちゃん? ごくりと、一希は喉をならした。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加