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引き込まれた裏路地でも、開けた道にでた奏たちは足をとめて向き合う
「ここらでいいか………とりあえずあんな、人目の多い所で飛び跳ねるなよ。無駄な気を使うだろうが」
「ご、ごめんなさい………」
「はぁ………わかればいい。それでお嬢ちゃん今、変身できるな?」
「はい!」
変身それに、一希は大きく頷き右瞼(みぎまぶた)を閉じると、再び開ける。
その右目に浮かびあがるはハートマーク、もう一度閉じて開くとセーラー服が可愛らしいフリルを沢山あしらったピンクのワンピース
にピンクのトーク帽、白いフードが付いたロングマントへと早変わり、右手には自身の身長ほどある先端には、太陽をモチーフにした装飾のある白い杖が握られていた。
「変身完了です。」
「おーけーなら、半径50メートルぐらいで結界」
「封圧結界(ふうあつけっかい)展開続いて
範囲指定 半径50メートル」
奏の指示通り変身し、次に結界。白い杖を両手で持ち直し、眼前にかかげ一希を中心にふわりと目に見えない結界がぴったり50メートル展開される。
「はっ、なんだよ。全然出来るじゃねーか後は『アリス』を探すだけだぜ?」
アリス。名前からすれば、不思議の国のアリスを想像するだろうそれは正しく、間違いないのではあるがここにおいての『アリス』は『禍殃(かおう)』である。つまりは、不幸の原因であり原点である。人間の幸福を喰い物にする人類の敵。
一希は、そのアリスを倒すべく選ばれた魔法少女その1人だ。
「………」
「アリスは、人の形こそしてても中身は化け物だ。躊躇することも、罪悪感を感じることもないんだぜ?」
お嬢ちゃん?
ごくりと、一希は喉をならした。
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