第1章

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沈黙がおちる。 奏は、どうして一希が魔法少女として活動しないのか再会した時に見抜いていた。人の形をしたアリスを倒すのが怖いのだ、だからこそ曖昧な理由で奏に助けを求めた………が 「ほら、サクッとやっちまえよ。気づいてるだろうが『アリス』結構近くにいるぜ?」 「………」 「お前の覚悟はそんなもんなのかよ?それじゃ、いつまでたってもただの傍観者だぜ」 「わか、っています。わかっていますけど」 一希の憧れた絵本の魔法使いの様になりたいなら、アリスを倒すしかない。 奏は、優しい言葉など掛けず追い討ちをかけ逃げ道をふさぐ 「わかってないな、わかってすらいないんだよ、お嬢ちゃん?」 「っそんなこと、ありません!わかってはいます。ただ、心がついていかないんです。」 「だったら、心を殺せ。感情を殺せ、敵をやることだけ考えろ。」 「………心を殺す、感情を殺す………アリスは、人じゃない人間の、敵!!!」 奏の言葉を復唱した一希は、アリスがいるであろう場所へと走った。それを見て笑う奏 「スイッチ入れるまでがかかったが、俺の選んだ魔法少女だ。まずまず上々ってか?」 ぽつりと独り言を言うと、ゆっくりと裏路地を抜けるべく歩きだした。 あぁ、今なら空も飛べそうだ。この身体を巡る力にそんな事を思う 「ごきげんよう。」 「『アリス』ですね?この容姿からするにまだ初期の状態?」 成長されては、倒しずらくなる。必ず倒さないと………一希は杖をきつく握りしめ、ごきげんようと壊れた人形の様に繰り返す『アリス』に向かって 「センドアウトレイス・ライト」 無数の光の雨を降りそそがせる。それにより、一瞬視界が閉ざされる 「………やった、かな?」 センドアウトレイス・ライトは、魔法の強さで言うと初級の方になるが、6つの属性 火・水・地・空・風・識の中でも最上に位置する空属性為、初級であっても他の中級程の力になる。 「ごきげんよう」
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