第1章

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「ふん、中々いい子じゃない?馬鹿正直に真っ直ぐ来るなんて」 「十月さん」 翌日。あの感触を情景を思い出さない様に努めて、学校に行き、放課後透に言われた通り真っ直ぐに待ち合わせ場所へと赴(おもむ)いた一希に、先に来ていた透は機嫌良さそうに座っていたベンチから腰をあげた。 「今日から、よろしくお願いします。」 「えぇ、びしびし鍛えるからそのつもりで。それから、私のことは名字じゃなくて名前で呼んで」 「はい!と…透さん」 「じゃあ、まずは手っ取り早く実戦の積み重ね!アリスを探しにいくわよ」 一希たちは、公園を後にした。 アリスの存在は禍殃(かおう)。不幸の象徴であるアリスをどうやって探す? そこで『眼』が重要になる。昨日一希が変身するにあたってハートマークが浮かび上がった右目。 「商店街に出た、ほらサーチかけなさい」 「はい。」 マークは単なる契約の為のものではなく、アリスを探しだすのにも役に立つ。 公園からしばらく歩いた一希たちは、人通りの多い商店街に着き、すかさず透の指示によって捜索の魔法 サーチをかける 「どぉ?」 「うーん.………いない、ですかね?」 「ぶっぶー不正解~。一希ってば捜索系の魔法苦手なの?鈍すぎ、答えはいる。んでもって昨日のより手強いのが1匹と、初期が2匹。大体、23メートルくらいね」 「.………すごい。」 「このくらい普通よ。」 6属性の中でも最上の空属性(からぞくせい)を持つ一希だが、どうやら捜索魔法は、苦手?らしい。透に関しては捜索魔法は申し分ない。思わず感嘆(かんたん)の声が一希から漏れる それに、得意気に返す透。 「私も、経験を積めば透さんの様にできますかね?」 「どうかしら?単に相性の問題もあるから一概には言えない。でも、気を落とすことはないわ。せめて、いるかいないかだけでもわかる様にして鍛えてあげるから」 「!!ありがとうございます」 「じゃ、アリスを逃がさない内に結界張っていくわよ!」 一希は、半径30メートルで結界を張り変身する。透も、右目に星のマークを浮かびあがらせ変身する橙色を基調にした剣士風の服に長い髪は頭の高い位置で結ばれた姿に 「私は、見ての通り接近戦向き。こっちは、相性はいいはずよ」 つまりは、支援が主になり自然と敵との間合いを掴めるということだ。
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