第1章

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アリスの段階は、全部で5段ある。 といっても、5段階目まで確認されているというだけで、もしかする『5』という段階すら間違っているのかもしれない 「段階が一つ上がるだけで」 初期と2段階目でここまで差があるなんて・・・一体5段階目にまでなるとどうなるの? 「一希、援護!!」 「はい!」 「ごきげんよう、ごきげんよう?わたしはアリス??」 例えるなら、生まれたての赤子が初期段階、そして善と悪の区別がつかないままの無邪気な小さい子供が2段階目つまり、力の使い方もある程度はわかっている訳で攻撃の手が緩むことがないが、透と一希たちもその攻撃の手を止めることはない。隙を伺いつつ確実に攻める 「ボイストレスダンスオブ・ウィンドー」 「ブロウ・フラッシュ」 そんな攻防が何分か続いたのち、急にアリスの攻撃がぱたりと止む。本当に唐突に・・・・見ると地面にぺたりと座り込んでしまっているアリス。アリス自身もなぜそうなったのかわからないかの様な顔をしている 「やっと、切れたか」 「えっどういう??」 「それは、あとで止めをさしてから」 一希も不思議そうに透に尋ねるが、透は説明を後にし、確実に始末をしようとその手に持っている剣を右から横へ薙いだ。 アリスの頭と胴体が離れその切り口からはたくさんのどす黒い赤が広がり、胴体は静かにその赤に沈んだ。 「うっ」 「ふぅ・・・さっ、一希あんたのプリズム出しなさい」 「は、はい・・・」 透はそれに一息つき、一希は気持ち悪そうにすぐに目をそらしながら、それぞれのプリズムに力を収集する。 「それで?なんだっけ?」 「突然、アリスの攻撃が止んだかです。」 「そうそれ、それはね単に魔力切れ」 透曰く、2段階目のアリスは力の使い方こそ知れどそれは、力を引き出すためのやり方を知っているだけであって、結局のところ制御ができていない。だから、攻撃を休まず続けているとすぐに魔力切れを起こすそうだ。 「といっても、固体によって魔力の差もあるけどそんな感じ」 「透さんは・・・一体何段階まで戦ったことがあるんですか・・・?」 「4段階止まりよ。5段階目まで行くのがまず稀だから」
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