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『お嬢、今大泊駅です。このまま改札から出そうですね』
「分かった。とりあえずそっちに向かうわ」
『また連絡します』
ヤスが電話を切る。
「大泊駅で降りたみたいです」
「大泊ですか。意外と近いですね」
「そうですね」
一応そう言ったけど、実はそんなに地理は詳しくない。
「でも電車で40分の距離ですから、そんなに近いってことはないんじゃないですか?」
「ああ、確かに電車だといったん東に向かって走って、今度は乗り換えて北から西に戻るので時間がかかりますけど、車だと真っ直ぐ行けるので20分もかからないと思いますよ」
「あっ、そうなんですね」
「ええ、そんなに道も混んでませんし、意外とすぐ着くと思います」
「へぇ~」
陽菜は感心した。確かに電車だと線路の上しか移動が出来ないから、そういうことになるのだろう。
これならあの二人が目的地につくまでに、追いつけるかもしれない。
15分ほど経って、またヤスから電話が鳴った。
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