第1話 イケメン刑事と四代目

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いつか素敵な男性と恋に落ちて、薔薇色の新婚生活を送りたい。 もちろん、相手は堅気の男に限る。 ずっとそう思っているのだ。 ところが……学生時代から、陽菜には彼氏が出来なかった。 なぜなら、西田組の娘だということがみんなにバレているからである。 同じ学校の生徒で、陽菜に手を出そうと思うような命知らずな男はいなかったし、一度校外の男の子に告白されて、付き合うことになったけど、わずか三日後に陽菜が西田組の娘と分かった途端、彼は去って行ってしまったのだ。 そうなるとやっぱり実家を離れて、どこか遠い町に住むしかないのだろうけど、それは祖父が許してくれない。 まだ二十歳の若さで、家の跡目の為に、ヤクザ家業を継ぐことを許してくれる男性か、もしくは自身が継いでくれる男性でないと、恋愛対象にならないなんて……。 先のことを考えると頭が痛い。 でも、陽菜だって二十歳の女の子なのだ。 普通にイケメンの男性と、映画に行ったりショッピングに行ったりしたい。 そんな陽菜には、実は心の中に想う男性がいた。 昔から頻繁に夢に出て来る男性で、名前も何も知らない。 でも陽菜は、きっとその男性はこの世界に実在していて、いつか出会えると信じていた。
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