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【トランスリープ航法】
とらんすりーぷこうほう。現在ヤヴァルト銀河皇国が使用している恒星間航法、DFドライヴ(ディメンションフォール航法)より優れるとされる。
DFドライヴと同様に重力子を使用した空間転移航法だが、DFドライヴが超高圧縮で位相過負荷状態にした重力子を空間投射し、四次元と五次元の境界面を縫う形で疑似ワームホールを発生させ、その中を通り抜ける方式であるに対し、トランスリープ航法は超々高圧縮重力子で通常は量子界面に閉じ込められている、全ての次元を開放。超弦飽和空間を船の周囲に展開し、時間空間座標を全てゼロにした中を移動する方式となっている。
このトランスリープ航法がDFドライヴより優れているとされる点は、DFドライヴが一度に転移出来る距離は直線で約130光年であるのに対し、トランスリープ航法は理論的に数万光年が可能である事。疑似ワームホールを発生させるDFドライヴが、惑星の公転軌道に影響を及ぼすために、星系外縁部間でしか使用出来ないのに対し、トランスリープ航法は重力場の制約がほとんどなく、衛星軌道上からでも使用が可能である事が挙げられる。
ただし、その超弦飽和空間の発生と展開に必要な量の重力子は、DFドライヴの比ではなく、理論はヤヴァルト銀河皇国が惑星キヨウの大陸国家であった時代に、すでに確立されていたにも関わらず、現在の対消滅反応炉の技術と能力では到底必要量は確保出来ない。
なお、現在のトランス・リープ理論研究の第一人者である、キヨウ皇国大学次元物理学教授のランヴェル=ノルトンによると、この航法が実現すれば、シグシーマ銀河系の知的生命体は新たな進化の段階に進めるらしい。
【この項おわり】
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