【重力子/反転重力子】

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【重力子/反転重力子】

   じゅうりょくし/はんてんじゅうりょくし。重力を司る素粒子と、その性質を超々磁界内で逆転させた素粒子。反転重力子は暗黒物質を構成する素粒子の一つで、宇宙の膨張にも関わっている。  対消滅反応炉内の量子崩壊を通じて、重力子ジェネレーターで生成・逆転され、重力子ドライブから指向性フィールドとして圧縮放出される。  空中浮遊から宇宙航行、恒星間移動にまで使用され、特に反転重力子の発見と利用は、ヤヴァルト銀河皇国がその文明を併合する条件となっている。  人工重力場放出後の、消滅までの時間は1G重力圏内で2.23秒。宇宙などの無重力圏内でも5.58秒と短く、これを断続的または連続的に放出して使用する。  宇宙航行の場合、重力子による推進力は、無重力空間であっても推進させる対象の質量に影響を受ける。つまり機体が小型で重力子ジェネレーター出力が高いほど、高速が得られるのである。  これは一見すると、質量の影響を受けないロケットなどの反動推進の方が、効率的であるように思える。  しかしながら反動推進には、高い加速度を得ようとするほど、膨大な燃料と巨大な推進装置が必要であり、一方の重力子推進にはそれが必要ではなく、また高圧縮重力場には、相対性理論による時間のズレ、いわゆるウラシマ効果を緩和する働きがあり、光速の30パーセント程度までは、ウラシマ効果が発生しない事が確認されている。  これらの事由から、より高速域で空間移動を行う場合は、重力子推進の方が効率的であって、通常空間での推進にも使用されているのである。  放出された重力子・反転重力子のフィールドは、薄い円盤状となり、圧縮度が高い場合、黄色またはオレンジ色の光のリングを発生しながら展開される。また過負荷などで強制破断される場合も発光現象を生じ、視覚的に割れるような見え方をする。  さらにこの発光現象は電磁場の影響を受け易く、その影響下では魔法陣のような幾何学模様を形成する事が多い。 【この項終わり】  
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