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【BSIユニット】
BSIゆにっと。全高約12メートルの人型機動兵器の総称。Battle Structure of Integralの略。重力子フィールドの展開により、宇宙空間においても重力下同様の、複雑な挙動が素早く行える。
元来はヤヴァルト銀河皇国と敵対した恒星間帝国、モルンゴールが主力戦闘兵器として運用していた。人型をしているのはモルンゴール帝国が、戦場での個人の功績を重視する社会であり、BSIユニットはその個人の延長線上に存在するべきという、思想的なものが多分に含まれている。
モルンゴール帝国と接触した当初、ヤヴァルト銀河皇国はBSIユニットの人型の形状を疑問視し、思想面のみを反映したものだと判断していた。
しかしながら、その宇宙空間における機動性は、従来の宇宙戦闘機を凌駕し、ヤヴァルト銀河皇国軍を多いに苦しめる事となった。
これは、宇宙空間で重力子フィールドを展開し、上下左右のある高機動戦闘を行う場合、空間認識には機体が操縦者と同様の形状、つまり人型であった方が把握しやすいという、実戦から生まれた理論の上に立っていたからである。
この事実を踏まえ、また敵が配備している兵器には、自らもそれに相当する兵器を配備するという原則から、対モルンゴール帝国戦争後期になると、ヤヴァルト銀河皇国側もBSIユニットを開発、配備するようになっていった。
そしてモルンゴール帝国戦終結後、ヤヴァルト銀河皇国の先祖帰りした新封建主義は、帝国の併呑による思想の流入でさらに深化。それに伴って皇国軍は、BSIユニット中心の兵器体系に再編され、ひと回り大きな将官用カスタマイズ機BSHO(Battle Structure for High Officer)や、下級兵用に簡易化した大量生産向きのASGUL(Aerospace Strategy General Unit of Legionnaire)が開発、配備されるに至った。
BSIとBSHOは超電磁ライフル、陽電子パイク(矛)、量子ブレードを標準装備。ASGULは固定式ビーム砲、陽電子ランス(鑓)を標準装備とし、全機種とも状況に応じて反陽子弾頭魚雷や、長射程荷電粒子砲などを運用する。
BSIを基準にBSHOは30パーセントの出力増加。ASGULは25パーセントの出力低下となっているのが平均的である。
【この項終わり】
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