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【超空間転移ゲート】
ちょうくうかんてんいげーと:ヤヴァルト銀河皇国が、領有するシグシーマ銀河系の主要星系に設置した、超空間転移を容易に行う銀河皇国の直轄施設。超空間通信サーバー基地も兼ねており、その設置数は107で、全部で68ある皇国の宙域各々に対し1つ以上が置かれている。この超空間ゲートネットワークこそが行政・経済・軍事などにおいて、銀河皇国のシグシーマ銀河系支配の根幹を成すものである。
構造的には標準型ゲートの場合、対角線長500メートル、幅と厚みが50メートルの六角形をしたフレーム状構造体を二基、一方を45度に回転して重ねた転移ゲート本体と、それに併設したエネルギー供給施設に、税関や一時宿泊も可能な商業施設等で構成されている。
そしてこれが進入用と着出用の二組並んで、各宙域国首都星系の外縁部に置かれているのである。星系最外縁部に置かれる理由は、超空間転移には大きな重力場変動を引き起こすため、星系内に設置した場合、惑星の公転運動までも障害を与える恐れがあるからである。
エネルギー供給施設は直径32メートル・高さ64メートルの円柱形をした超大型対消滅反応炉が五基並んで一組。それを縦に二組合わせたものを、一つのゲートの左右に配置して常時稼働させている。
ゲートを構成するフレームの内側は『虚空界面』と呼ばれるワームホールであり、その転移先は通常固定されている。これには戦略的な意味があり、銀河皇国に敵対するものがゲートを占拠しても、皇都星系ヤヴァルトへ直接侵攻させないようにするためである。
ゲートの前方には税関と商業施設を併設したプラットホームが浮かんでおり、また同時にこのプラットホームには、銀河皇国中央軍の防御砲台や、駐留艦隊の停泊地も置かれている。
ゲートは銀河皇国直轄施設であると同時に、各星大名の間で締結されたヤヴァルト銀河協約により、星大名の各々によって保護されており、これを破って占拠、独断利用する事は朝敵―――つまり星大名の権利を持たないテロリストと認定される事になる。
また、上記の施設構成を標準型とするのは、反応炉の規模が小さいものや、商業施設を持たないものもあるからである。
【この項おわり】
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