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正義の制裁。
その日はわりにすぐ訪れた。
正気を失った征司が
徐々に夢の世界に入り浸るようになったからだ。
来る日も
来る日も
やってくるようになった。
土壁の地下牢。
僕だけ閉じ込めた聖なる地に。
安らぎを求めてあるいは
贖罪のため――。
「飲み過ぎですよ……お兄様」
僕と違ってよく働く
理性をごまかしたいんだ。
そして堕落への一途。
ここにいる間中
征司はワインの瓶を手放さなくなっていた。
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